伊代菜ちゃんは神


帰省時の義務である『めぞん一刻』全15巻一気読みを放擲し、『まじかるタルるーとくん』1〜18巻を一気読む。面白かったのである。


現在の作者への悪印象もあり、ドラえもんの二番煎じ、バトルものになった、中学生編が速攻で打ち切り、など、ろくでもない印象ばかり残っていたのだが、面白い。バトル編が案外短く、その後は本丸が強い以外は何事もなかったかのように元の路線に戻っていた。長いまんが歴でショタ属性すら持つ呪われたこの身には、タルるーとくんが可愛らしく見えて困る。当時の鳥山明にも注目させるだけのことはあるまんがだと思う。中学生編すら読みたくなった。


で、ヒロイン河合伊代菜が神。隙がある分だけ、ベルダンディー以上の究極お嬢様良い子キャラ。
通読して印象深いのが、所有分ラストである18巻所収のせいもあるが、各々が妄想したゲームを魔法で具現化して売る回。他のキャラのバカゲー、ヤバゲー*1のヤバさもさることながら、それらがバカ売れする中で、彼女の『愛の宇宙船地球号』(エコロジーシミュ)が絶賛売れ残りで独りしょげる様など実によい。ようしゃないぜ江川。しかし次のコマではもう笑顔。スバラシス。


しかし余りページに小学生時代まで遡る過去の自作クソまんがや自分史を延々と書き綴っているところには、現在の残念な状態への布石が伺われるが。
下に紹介するのは文庫版。おそらくクソまんがは未収録と思われる。


*1:じゃば男『涙の数だけいじめがある』(いじめゲー)、原子『原発讃歌』(原発経営シミュ)、伊知川『パンツdeデート』(男騙し成り上がりゲー)