高野連、怖

 日本高野連は3日、硬式、軟式を合わせた加盟全4678校に実施した日本学生野球憲章に違反するスポーツ特待制度採用校の調査結果を最終発表した。新たに明らかにしたのは帝京、岩倉(いずれも東京)、大体大浪商(大阪)などで、甲子園優勝経験のある25校、同出場経験のある190校を含む376校(うち8校が軟式でも抵触)が申告し、7971人の部員が適用を受けていた実態が判明した。また、今後のため「特待生問題検討私学部会」を立ち上げることを決めた。
 社会問題にまで発展したスポーツ特待生の調査結果は、想像を絶していた。硬式376校、軟式8校が申告。適用を受けていた部員7971人は、この日から当該部員は対外試合出場禁止となった。大阪・西区の中沢佐伯記念野球会館で会見した田名部和裕参事(61)は「甲子園を沸かせたチーム、選手の顔が浮かんだ。寝られなかった。僕たちのコミュニケーションが不十分だとあらためて思った」と声を詰まらせ、涙をぬぐった。


『甲子園を沸かせたチーム、選手』の多くが名門・新興の差はあれ私立のチーム・選手であり、私立であればスポーツ特待制度を実施している場合が多い、なんてことは、高校野球に関心を持つ者なら誰でも知っているか、推察できることだと思うが。高野連はこんな基本的な認識すらないまま、一面的な正義感だけでスポーツ特待制度に反対していたのか。
寝られなかっただの、涙をぬぐっただの、どこまでもみっともない。見切り発車で厳しい罰則を伴う申告要請を出しておいて、数が多いわ名門校だらけだわで驚いた、と。その場の正義感だけで、何も考えてないのか。実態を掴んでいたから彼らにとっての膿をあぶりだしたかった、というなら、結論には賛成しかねるもののスタンスはわかるが、これでは『今まで何をやってたんだ』って話ではないか。