フィリピン旋風


BOXING EYEさんのところで知ったのですが、ミハレスがらみで以前触れたWBCスーパーフライ級の指名挑戦者デビッド・ナコンルアンプロモーションが2RKO負けしたとのこと。無敗のホープを屠った殊勲選手はRichard Olisa、これまたフィリピン人です。


http://www.boxrec.com/list_bouts.php?human_id=264112&cat=boxer


なんとBoxrec上では負け越しですね。先日大毅相手に微妙な試合を見せたファーペッチノーイも、デビューからの連勝をかませフィリピン人に止められているので、温室育ちのホープが陥穽に落ちた、ということなのかもしれません。
ただしよく見るとこの選手、今年に入ってからの戦績はいいです。つい1ヶ月前にPABA番長デンカオセーンのフライ級タイトルに敵地挑戦し、大差判定負けながらフルラウンド闘っています。


この結果を見て改めて思うのは、マニーパッキャオの初弾はもちろんのこと、ここ最近の数多くのフィリピン人ボクサーがパッキャオに続いて躍進を果たしたことが、これまで下積みで勝ち負けを繰り返してきたボクサーたちにも『もしかしたら、全力を尽くせば俺もひのき舞台に上がれるかもしれない』という強い希望を与えているのでは、ということです。実例があるのとないのとではぜんぜん違うでしょうから。これは人事ながら、素晴らしいことのように思えます。
今日クリス・ジョンVS武本戦の前座で、玉越選手を苦しめたJaime Barcelonaにも、こうした意気込みを感じました。


http://www.boxrec.com/list_bouts.php?human_id=15280&cat=boxer


60戦以上のキャリアながら近年は負けが込み、ついに30に上る勝ち数を負け数が上回っているような選手ですが、キャリアからは打たれ強さを感じます。その上に、今日のファイトではあわよくば倒してやろうという意気込みに溢れ、大降りながら力強いパンチを打ち込んでいました。おそらく再起戦をKOで飾りたかったであろう玉越も、手堅い判定勝ちを余儀なくされた感が*1

*1:ただし、リングサイドの長谷川穂積チャンピオンをはじめとした解説陣の『玉越は再起戦なんだから、まずは勝つこと。次に無理に倒しに行くより、自分のいいところを出すこと』という助言はもっともだと思いました。それぞれのボクサーにはそれぞれの文脈がある。