ロデル・マヨール、3度目の世界タイトル挑戦

イーグル京和(引退)との死闘が忘れ得ぬ印象を残すこの選手が、今日(日本時間では明日)3度目の世界タイトル挑戦。

Eagle Kyowa vs Rodel Mayol

このイーグル戦序盤での恐るべき強さが忘れられません。パンチをまともにもらうことすら珍しかったイーグルの首が弾け飛ぶような、ミニマム級とは思えない左フック!
しかし中盤以降スタミナが切れ、パンチを見切られて失速し敗戦・・・。

Mayol vs. Solis - kamaongpinoy.com

階級を上げて二度目の挑戦となったこのソリス戦でも、序盤はキレキレ。中盤までは主導権を支配し、ダウンも奪っている(判定はスリップ)。しかしこの選手、スタミナとメンタルが弱いのか、この試合も中盤以降失速。足が止まり、ガードがルーズになったところを突かれて逆転TKOを許しています。

Mayol Knocked Out by Solis Rnd 8- kamaongpinoy.com

ソリスの喜びようが凄い。百戦錬磨の彼にとっても厳しい試合だったのでしょう。
そして、ピンチでの弱気な表情、敗戦後の悲痛すぎる表情もこれまた印象的な選手でした。こんな顔をしなくてもいい能力を持っているはずなのになあ、と。

そう考えるのは僕だけではないようで・・・

ロデル・マヨールが、迫る13日の試合でイヴァン・カルデロン相手にアップセットを起こす能力を持っているのは間違いない。しかし必要なのは能力だけではない、器も必要なんだ。
マヨールの最近のパフォーマンスをみると、軽量級のベストボクサーたるカルデロンに伍する器があるのか疑問に思わざるを得ないだろう。
マヨールは、イーグル戦、ソリス戦、ヘルナンデス戦の苦い敗北から何も学ばず、我々はいつものように扱いづらい彼の姿を見ることになったのだから。

(中略) 私のみるところ、ルーキーの頃を比べると、マヨールはパッキャオよりも才能があった。しかし、パッキャオが宿し、成功に導いたところの、真の戦士の魂を持ち合わせていないようにもみえた。
ここで問題だ。マヨールには能力がある。これは彼が技術を持っているということだ。しかし彼は器を持っているか?器というのは自身を律して、運動能力の限界まで追い込めるのかということだ。

Capabilityを「器」と訳してみましたが、対比されているAbilityが単なる属性・能力を意味するのに比して、大きな才能とか、あるいは許容量(Capacity)も含意するようですね。
記者はマヨールに、その破格の運動能力を発揮するための精神の充実を求めたいようです。あの序盤の強さをみれば、終盤の泣きっ面をみれば、期待しますよねえ。

戦績優秀なホープが次々と出てきている(逆に言えば、潰し合いをしない?)フィリピンにおいて、彼が未だにここまでの期待を背負っているというのも嬉しい驚きでした。

しかし相手のカルデロンは希代のスピードスター。一発の怖さは無いとはいえ、マヨールの荒さで捉えられるものか・・・。