WBAスーパーフライ級タイトルマッチ ○名城信男(日本) Vs マーティン・カスティーリョ(メキシコ)● 10回TKO


2Rの名城のパンチによるカスティーリョの出血が悪化し、10Rにいきなりレフェリー・ストップ。素晴らしい試合だったので、最後まで見たかった。1Rからカスティーリョの左フックで数度ふらつかされるシーンがあったのでどうなるかと思ったが。


名城は出血の後押しもあったが、テクニシャンのチャンピオンに対して一度握った主導権を渡さなかったところがよかった。後半での逆転が多いカスティーリョが7Rあたりから息を吹き返しかけたが、名城はそこでややディフェンシブにシフトしつつラウンド終わりには必ず詰める等、初挑戦とは思えないくらいきっちりと勝てる試合をものにした印象。充実したフィジカルとパンチ力あってこそのことだろうが、決してパンチ力だけのブルファイターではなかった。

9Rまでの採点は割れていたそうだが、接戦ではあれカスティーリョのリードってのはありえない気がする。たしかに彼は巧かったし、視界が塞がりかけた中でハードパンチャーに決定打を許さなかったのは流石だが、パンチをかわしきれていたとはとても言えない。というより、毎回結構きつい有効打を喰らっていた。そのカスティーリョ自身は完敗を認めているとのことで、この辺も流石名チャンピオン。


日本タイトルマッチという大舞台でKOした対戦相手が直後に死亡、という重荷を背負い続けて、強いチャンピオン相手の戴冠。おめでとうございます。