思想

ジェルジ・ルカーチ『エッセイの本質と形式について』を読む

*この文章は読解の変化、ならびに誤字・脱字の発見にしたがって適宜改竄します。 ルカーチの初期著作『魂と形式』の第一章?『ルカーチ著作集』の1巻に収録。友人への手紙の形式をとっている。現在の評価は哲学者にしてマルクス主義者だが、ここでのルカー…

アイロニカルにシニカルなニヒリスティック

前回イロニーイロニーと書いていてふと思ったのだが、イロニーというのは今の一般的な表記で言うとおそらくアイロニーのことだ。アイロニーというと「皮肉」か。辞書的な意味でのアイロニーは、論敵の土俵に乗った上でその弱点を指すというテクニックらしい…

現代日本のイロニー(橋川文三『日本浪漫派批判序説』)

橋川文三『日本浪漫派批判序説』を読む。日本浪漫派とは、第二次世界大戦期の日本で流行った思想。閉塞した状況を扇動的な美的言辞でくるんでしまうような思想で、多くの文学青年が日本浪漫派の、というより領袖の「保田与重郎」の言葉を胸に、死地に赴いた…