新世界への郷愁


世界樹の迷宮』のためにニンテンドーDS Liteを買った。
思ったよりグラフィックが綺麗。プレステがポータブルになったような感じ。『スペースグリフォンVF-9』移植してくれないかな、と後ろ向きな期待が。


それでも、やはり昔のようにはゲームにのめりこめない気がする。なにしろ、未だに『エメラルドドラゴン*1という言葉を思い浮かべるだけで、あの美しいオープニングにトリップできるぜ。『イロイッカイズツ*2だとストイックなライン引きダンジョンにトリップ。


さかのぼると、MZ-2000のゲームたち。超名作AVG『ミステリーハウス』に、その亜流で、死に方が理不尽ながらオールBASICなのでGOTO文でクリア可能だった『モンスターハウス*3とか。ベーマガ掲載作品だった『3D-MAZE』*4だったかにもはまったなあ。あと、初のカラー体験ゲームとして、『ハッピーブッシュマン*5があった。画面描画に1分くらいかかったわけだが。
他にも、兄貴の持ってたMZ-1500やX1で一連のハドソンAVGもやったし、初代『信長の野望』で疫病に苦しんだし、見てただけだが『ポイボス』は、NPCがいる画期的なゲームで、妙に面白そうだった。


この頃は、持っていなかったPC88のゲームに面白そうなのが多くて、羨ましさに歯噛みしたものだった。光栄の和風RPG『タイムエンパイア』、サイバーパンクなモンスターのイラストが抜群に格好良かった『ザ・スクリーマー』、人類滅亡後の世界で怪物を主人公にしていたんだったかでひたすら壮大そうだった『ラストハルマゲドン』など、枚挙に暇が無い。


MSX2の『メタルギア』シリーズ*6は、通信で指令を受けながらのゲーム展開が、あたかも自分でミッションをこなしているような錯覚を起こさせてくれた。敵兵や監視装置に注意し、匍匐前進で見つからないように、というのも新鮮だったしな。本当に、MSX時代のコナミはすごかった。出すゲームが全部面白い。『魔城伝説2 ガリウスの迷宮』は、ワケがわからないながらよく出来ていてすごかったし、『魔城伝説3 シャロム』は、MSX1対応の制限の中で贅を尽くしたグラフィックで、大長編ドラえもん異世界ファンタジー仕立てでパズルゲームを作り上げてくれていた。ブタ子・・・。
他メーカーでは、多人数プレイが熱かった光栄の『三国志』もさることながら、ストーリーそっちのけで野草や鉱物の採集にいそしんだ『抜忍伝説』も思い出深い。なんだったんだあのゲームは。オカルトゲー『白と黒の伝説』も変だった。こういう誇大妄想オカルティズムは現在では難しそうだ。あと買わなかったけど、『サーク』は美しいグラフィックにあこがれた。『破邪の封印』は、初めてプレイした本格ファンタジーRPG。色々大変だった記憶があるが。クリアーしたら開発元である工画堂スタジオからエンブレムが送られてきたような。『信長の野望 全国版』、あの音楽は菅野よう子だったんだな、と思うと感慨深い。今更ながらすごい人だ。
あと、忘れられないのがSFアドベンチャージーザス』。SF的ストーリーに、コマンド入力が主流の時代に、コマンド選択型でストーリーテリング重視のコンセプトが新しかった。そして可愛い女の子とアニメーション。そして初エロゲー『CAL2』。とにかく絵が綺麗。これもはまったなあ。モテタイヨーンウ、だっけ。
このころのPCゲーム(コナミのそれを除く)は、今からすると不親切な分をユーザー側の想像力で勝手に補完していたところがあるような気がする。ちょっと違うが、『ジーザス』の画面をネットで見たときには、記憶の美化の凄まじさが妙に悲しかった。逆に『CAL2』は現在の目で見ても違和感が無いのが驚き。


ファミコンでも、『ファイナルファンタジー』シリーズ、特に『1』と『2』にはのめり込んだ。『1』はあのクリスタルのテーマをはじめとする音楽の美しさと、飛空挺、古代文明、4つのカオス、時間移動といった王道の道具立てに震えた。『2』は会話でのキーワード蒐集と使用を通じてストーリーに能動的に参加する気分が味わえる仕掛けもさることながら、そのストーリーが良かった。レジスタンスで、キーワードが『のばら』だったっけ。オープニングではぐれた仲間と敵として再会するなど、色々と工夫があった。今のFFシリーズは演出が饒舌すぎて、個人的にはこの頃くらいの按配がよい。あと、とりあえず『たけしの挑戦状』。


スーファミは微妙に変なゲームが印象に残っている。『シャドウラン』はサイバーパンクネイティブアメリカン思想のごった煮で、洋ゲーならではの謎ゲー。ファンタジーRPG『ソウルアンドソード』は、フリーイベントが新鮮だった。キャラも魅力的だったし。


大学時代に出たプレイステーションのゲームは、前世代機(スーパーファミコン)からの映像技術の跳躍が一番激しかったこともあって、純粋に技術的な驚きが大きかった。本当に、妄想がどんどん現実のゲームになっていく感じだった。
特にロボットアクションの『スペースグリフォン VF-9』*7は、出たばかりだったプレイステーションの売りだったポリゴン描画機能を生かした3D映像といい、随所で挿入されるSFアニメーション演出といい、個人的にはあの時を象徴する夢のゲーム。純粋にゲームとしてみるとアラがあったせいか、世間の評価は低かったが。『MYST』は美しすぎた。あの音楽といい、まさに異世界
ときめきメモリアル』と『True Love Story』シリーズをはじめとする恋愛シミュレーションは、こういうゲームまで出てきたか、という驚きもあったし、単純に萌えて夢中にもなった。あの頃は今ほど縦割りじゃなくて、普通の大学生も『紐緒さんが・・・』とか言ってた。あのヒロトマーシーすら言ってたくらいだしな。『ときメモ』はシステムの完成度の高さが印象深いが、『TLS』は地味目のキャラがよかったなあ。桂木さん・・・。
あと、大きな技術的ブレイクスルーを反映してか、『NOeL』*8や『TOKYO INSECT ZOO』*9みたいに、実験精神溢れるゲームも多かったのもよかった。


そういう、ゲームに新しい世界を開かれるような感覚を持てたのは、プレイステーション2の『ボクと魔王*10が最後かな。あれもPS2のグラフィック性能で初めて描けただろう世界と映像だったからなあ。


そこにいくと、WiiにせよPS3にせよ、スポーツものにレースもの、シリーズものの次回作とかで、映像もPS2をさらに高精細化、って感じで、うおおこりゃ新しい世界だ、っていう驚きが、今のところ感じられない。俺が齢食っただけかもしれないけど。

*1:1990年頃、PC88シリーズ他のパソコンで発売されたRPG。FFシリーズに受け継がれる、キャラを立ててアニメーション演出などでストーリーを追体験させるタイプの走り。

*2:初期国産RPGの名作『ブラックオニキス』の最下層ダンジョンの踏破ヒント。そんなことよりブラックオニキス。なんでさんざ苦労して手に入れたのにレベルが2上がるだけなんだ。そんなことより『ムーンストーン』はまだでしょうか・・・。

*3:ちなみに発売元が日本ファルコムで驚いた。

*4:3Dダンジョンの中を、ろうそくを持って宝箱を探してさ迷うゲーム。詳細は思い出せないが、ろうそくが切れると視界が狭まったりと、スリリングでえらく面白かった。

*5:プログラムテープの余りにニカウさんの肉声が収録されていたはず。聴いた覚えは無いが。

*6:プレイステーションシリーズに移植されて現在に至るコナミのドル箱シリーズも、元はMSX2だったのだ。

*7:バルキリーチックに三段変形するロボットを駆って、ウイルスに汚染された月基地に乗り込む3Dシューティング/RPG

*8:女の子とテレビ電話越しに会話する、というシチュエーションの恋愛シミュレーション。綺麗なアニメーションがぐりぐり動く。今やってもすごいと思える。

*9:少年がカブトムシになって、閉園になった昆虫公園の中を冒険するアドベンチャーゲーム。これまたよく出来たアニメーションが随所に挿入されていた。千秋とホンジャマカがメイン声優として参加していて、上手かった。特に千秋。操作性の悪さ、ぶっ飛んだ会話と微妙なエンディングのために糞ゲー評価が多いが、俺は好き。田嶋里香が歌うエンディングテーマ『アイ・ウィッシュ〜これからもずっと』は名曲。

*10:影の薄い少年の影に魔王が取り憑いて、というものすごい設定のコミカルなファンタジーRPG。キャラデザイナーは原田たけひとさんかとばかり思っていたのだが、違うようで、関本努という方らしい。次回作待っております。