ウラジミール・クリチコ VS レイモン・ブリュースター


今回の試合では、久しぶりにヘビー級の醍醐味を味わうことが出来た。
第一にクリチコの雰囲気。険しい顔でリベンジに燃えるチャンプは、入場シーンからヘビー級の第一人者にふさわしいオーラを撒き散らしていた。痺れる。この雰囲気がワルーエフにはなかった。
次に国歌斉唱。どちらの国の歌手も、うまいし力強い。日本では元光ゲンジの大沢に歌わせた論外の試合もあったが、和田アキ子でも話にならない。伴奏のみでなく歌手に歌わせるのは賛成なので、まともな声量で歌える歌手に歌わせてほしい。ゴージャスな雰囲気はまさにキングオブボクシング、キングオブ格闘技の風格。
最後に、クリチコのパワー。ファイターのブリュースターを中に入らせまいとジャブで突き放すのだが、それが牽制を通り越して、ブリュースターの顔を跳ね飛ばし、体力を削り取っていく。これぞヘビー級。そして打ち下ろしの右は、アームブロック越しに顎を大きく揺らす凄まじさ。
ブリュースターが7Rの開始に応じず、クリチコのTKO勝利。堪能した。