モンティエルVsマルドナド



モンティエル、キレキレですな。天才型のボクシング。


時折ステップがスイッチしてますが、それが意図的なスイッチというよりその時々のスタンスから打ち込んでいるだけという野方図な感じも、それが下半身のパワーを上半身にうまくのっけた強烈なブローになっている点も、天才。


試合後の本人の弁にもミハレスの名が出たようで、いよいよ次がスーパーフライ級頂上決戦なのでしょうか。
先日のミハレスVSムニョス戦を超える頂上対決と評価されるだろう両者ですが、ネット上の識者の意見はモンティエルの方を上におくものが多いですね。実際、モンティエルはミハレス戦に全く躊躇がなさそう。対するミハレスも団体統一路線を掲げており、実際ムニョスには臆せずほぼ完封してみせましたが、天才モンティエルの名乗りにはどう出るのか。
決まるのかどうか、というところから楽しみです。ミハレス本人とファンはともかく、ブレーンならあと一年欲しいと思いたくなりそうな強さですからねえ、今のモンティエルは。

両雄とも才気丸出しですが、比較するとやはり天才ぶりはモンティエルが上か。体のバランスの良さ、そこから生み出される攻撃力が凄まじい。ミハレスは目の良さを生かしたディフェンシブなファイトスタイルを洗練させて、負けにくい強さを身につけた感じですから、華やかさ・天才ぶりでは一歩譲ります。彼のマトリックスディフェンスも、モンティエルの鋭い上下の打ち分けの前には今までのようなわけにはいかなさそう。
ただしミハレスも、川嶋、アルセに続いて、ナバーロもムニョスすらも捌いてみせた実績があり、私の予想はミハレスの小〜中差判定勝ちだったりします。モンティエル相手でも、中間距離での打ち合いを避けることさえできれば、有効打で上回って捌き切ってしまうように思えまして。で、お国びいきかもしれませんが、ミハレスに勝てるのは、接近戦でスピード負けせず渡り合えるだろう長谷川のように思えるのです。

ただ両者ともにここまで充実していると、予想は楽しいものの、当たる気はしません。カスティーリョに続いてミハレスまでモンティエルに破れてしまうと、いよいよ石原・セレス小林以来の近年の日本スーパーフライ級の歴史が、日本の手の届かないところで総括されてしまう気分になるだろうなあ。

とはいえ、両者の戦いの結果がどうであれ、それで終わらないのが今のスーパーフライ級。
まずフィリピンの無敗の未成年A・J・バナル。名城・河野両選手には申し訳ないが、バナルが二人を差し置いてWBA暫定王者決定戦に出てくるのはちょっとうれしかった。また強い選手がIBFに行ってしまうのかと思えたので。相手の質からしておそらく取るだろうから、米国でも注目されている彼に日本の強い選手が絡むことで、日本選手のビッグマッチ参加に繋がらないかなあと妄想。
そして現IBFフライ級王者のノニト・ドネア。フライ級では相手がおらず、日本の事情で統一路線も難しい。実際試合の予定が立っていないようで、おそらく階級を上げてくるでしょう。
モンティエルとなら、この近辺の階級随一のキレキレ天才対決ですね。