ダイナミックグローブ2


スーパーバンタム級 10R 下田 ノーコンテスト アルゴレダ

 1R 下田選手の相手ホセ・アルボレダ選手は本物でした。さすが現WBA王者リカルド・”マエストロ”・コルドバと好勝負できる元トップコンテンダーの世界ランカー元世界上位ランカー、下田選手のスピードと普通に張って、カウンターでアッパーを合わせて来る。リーチも長い。むしろこの相手とスピードで張り合える下田選手がすごいのか。1Rにはいい左フックも合わせた。
 
 2R さあこれからと思いきや、飛び込みをいなされパンチを合わされ下田選手ダウン。ダメージは感じさせませんが、ショックが伺える表情。国内ではフィジカルで他を圧倒して来た選手だけに、そう出来ない相手にどう対処できるか。

 3R アルボレダ選手の長い右を喰らう。その後下田選手が偶然のバッティングで出血、ノーコンテスト・・・。このラウンドまでは、圧倒されるところまではいかないまでも、不利でした。でも貴重な経験でしょう。


フェザー級日本タイトルマッチ 10R 松田 1−1ドロー 梅津

 チャンピオン松田選手は亀海選手のブログ曰く、帝拳ジムでも一番後輩の面倒見のいい好人物とのこと。対する梅津選手はブログから溢れ出る好人物&ガンダムヲタぶり。この試合に向けての『ホールよ私はかえって来た!このアナベル梅津は二年待ったのだ!』という謎の言葉はガンダム無知のため面白さが分かりませんが・・・。

 素晴らしい試合でした。特に梅津選手が素晴らしかった。地味な印象を裏切って世界ランカーらしい技術を随所に披露する松田選手を、パワーを生かして押して、接近戦では上回ってみせた。右クロス、肘をたたんだショートフック、いずれもよかった。そして、右クロスの脅威と合わせて、最後まで松田のキラーショットである左フックをほぼシャットアウトし続けた右のガード。梅津選手の試合は数試合しか見たことありませんが、ベストではないでしょうか。有効打では明白に上回っていると観ました。んー3ポイント松田選手のジャッジは・・・。

 松田選手は紳士でした。試合後の第一声が『こんなんでは全然だめです、梅津選手の応援団、済みませんでした』。口が裂けても『負けてました』とだけは言ってはいけないでしょうし、そこまで卑下するような内容でもない。それでも、試合が終わったとき、どちらのファンがより応援している選手の勝利者コールを思い描いたか、というのは直感的に分かっていたのではないでしょうか(単純にヤジがあったのかもしれませんが・・・)『梅津選手はやりづらい、じゃなくて強かった。自分が弱かっただけ。反省点ばかり』など、反省の弁ばかりが口をつき、リングを降りる後ろ姿も敗者のようでした。それでも、いい試合を見せてくれたことは間違いないです。

 梅津選手も紳士。リング上で快く松田選手を祝福していました。さすがに控え室で同僚内山高志選手の『右が非常に光ってた。右クロスが当たっていたから自分の採点では2ポイント先に行っていたように思えたんだが』や、会長の無言の手、ファン?の『がんばった、ありがとう』という声を聞いて泣き崩れたとのことで・・・。勝ったという実感があったのでしょうか、勝ちきれなかった自分を悔いているのでしょうか。

 今日の梅津選手のボクシングは本当に素晴らしかった。次の試合も勝手に期待したいです。32歳ですが、ダルチニアン33歳ですよ。

 しかしこの二人をして『必ず世界チャンピオンになる』と言わしめる粟生隆寛選手も幸せ者?ですね。同僚の松田選手は日本タイトル同様『返上したら俺が』、日本王座を奪われた梅津選手は『挑戦してベルトを返してもらう』とのことで、また面白いです。