三上小又『ゆゆ式』 3巻


 久しぶりの更新は最近お気に入りのまんが『ゆゆ式』に3巻が出たので。


 ゆゆ式なのは、ゆのつく名前の女の子ばかり出てくるから?ハキハキしてねじが外れたゆずこと、おっとりしててねじが外れた縁と、しっかりツッコミ役の唯。箸が転がってもおかしいお年頃、という、端から見れば煩さウザそうな空間を、微笑ましく描いております。


 1巻を読んだ時は、早々に息切れる気配を感じたはずなのですが、見る目がありませんでした。なんともいえない安定感のまんがになった。


 分類するなら萌え4コマ、それも4コマ目で落とさず次に引きずる最近よくある萌えまんが。なんですが、どうにも不可思議な読み応えがあります。タイトルは『ねじ式』を意識しているのではないかなと想像。
 

 例えば、私がこの本で一番好きな部分。


 正月空け、ゆずこが他の二人に『みんな太った?』と聞き、相撲の「ごっちゃんです」の所作をしたところ、唯は怒りの波動を放出し、縁は明後日を向いてごまかす。まあよくある枕です。それを受けたゆずこのセリフ。

『違うよ?これカステラ切ってる…』


それに唯が答えて曰く

『でっかく切りすぎだろ、うれしがりの子かっ』

 

 この流れが、特に『うれしがりの子かっ』がツボでした。
 私には絶対に思いつかない表現。うれしがりの子かっ。いい。


 この三人は情報処理部で、放課後は毎日ネットで愚にもつかないお題を調べて過ごす。顧問は、糸目のゆる〜くおっぱいな頼子先生。これまたありがち。
 だとしても、ボケ二人が頼子先生を『お母さん、お母さ〜ん』と慕い、先生も快くお返事、一人入り込めない唯を他所に何とも幸せな空気を垂れ流すこのまんがはやはり凄い。


ゆゆ式 (3) (まんがタイムKRコミックス)

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