2006-12-04から1日間の記事一覧

『神様のパズル』付記

あと、備忘録的に記しておくが、この作品の裏テーマとして、「それぞれの世界」がある。綿貫に稲の世話を委ねた老婆は、生業である農業すら「やることになっているからやってるだけ」と言い、結婚も子育ても同じだったと言い、他に楽しみも知らず、充足して…

物理学徒とテロリズム(機本伸司『神様のパズル』)

女目当てで研究室を選ぶ人畜無害のダメ大学生である綿貫は、素粒子加速器の設計者にしてひきこもりの穂瑞沙羅華をゼミに連れ出す役を担う。綿貫は『宇宙はどうしてできたのか』という根源の謎を穂瑞に突きつけるが、そのせいで彼の卒業を左右するゼミのメイ…