亀田興毅 Vs ファン・ランダエタ 世界戦 採点2


最後に採点について追記。他の方の日記にコメントをつけていて気づいたのだが、(あくまで僕の採点に近い人向けだが)今回の採点を整理するには、1Rランダエタ+2、2&3R亀田各+1(甘いが・・・)で相殺の序盤、11、12Rの明白にランダエタ各+1の終盤(ジャッジの一人はそう評価していないが・・・)を除いた、4〜10Rの7つのラウンドで、亀田に2ポイントのビハインドを挽回できる「5/7」もののラウンドを与えられるかどうか、で考えると、整理しやすいのではないか。時系列に従わず、あくまで後付けの考え方になるので、なじまない人もいるかもしれないが。
ちなみに僕はそこで逆に7R中5Rをランダエタに振ったので、差が3ポイント上積みされ116-111のランダエタ中差判定勝利となる。矢尾板氏のように半数を超える4R分を亀田に振ってすら、114-113ランダエタで、亀田の勝利は無いのだ。


この観点からオフィシャルの採点を見ると、以下のようになる。
タロン氏はこの観点にぴったりと一致し、まさにその「5つのラウンドを亀田に与えた」結果、3ポイント奪取で114-113で亀田逆転?支持の判定となっている。
パディージャ氏は僕ほど甘くは無いようで、第2Rもランダエタに与えているため、亀田のビハインドは4ポイントになっており、件の7ラウンド中4ラウンドを亀田に与えているにもかかわらず、ビハインドは1つ縮まったのみの115-112ランダエタ
金氏は第3ラウンドをイーブンとしている上、第12Rを亀田のラウンドとするという暴挙を犯しているため、亀田のビハインドは1ポイントのみ。で、タロン氏同様に残り7R中「5つのラウンドを亀田に与えた」結果、3ポイント奪取で115-113で亀田逆転?支持。
亀田勝利を支持した二人のジャッジに共通しているのは、4R〜10Rの7ラウンドのうち5つものラウンドを亀田に振っていることで、これが亀田勝利の最低条件である。僕にはこの評価は過大だと思う。


上記の観点とは関係ないが、やはり金氏の12Rの評価が地味に鍵だ。これがランダエタに振られたところで三者三様のドローだから虚しいのだが。「その判断」が彼のジャッジに陰を落としていなければいい。安全運転に終始した感のあるランダエタの詰めの甘さを指弾することもできるが。それにしたって亀田はほとんど手が出ていない。終わり間際を含めて3回あった連打も手打ちで、ラウンドトータルで見ると手数、有効打共にランダエタ支持のラウンドなのに。


ただ、浪花節なのか11RのKO負けの危機を耐えた亀田に熱くなったのは確か。畑山(かな?)の「(重心を)上げるな!」「(真っ正直に立ってなくても?)いいんですよ、汚くてもクリンチしても、これが世界なんです」というアドバイスは熱かった。トップレベル相手の不利な試合の経験を積めたこと、序盤とここを耐えきったところが亀田にとってのこの試合の意義であり、亀田には複雑だろうが、この試合のハイライトだった。解説陣もおそらく同意見だろうが、やはりこの試合は亀田本人のためにも負けであるべきだったと思う。これで勝ってしまっては反省もできんだろう。それでも彼は「親父のボクシング」に固執するのかもしれないし、そもそも「親父のボクシング」意外の、たとえばグリーンツダが志向していたような、よく動いて打たせないアウトボクサーとしての適性があるかは全く不明なのだが・・・。現状では、今日のような愚直なファイトスタイルによる力押ししかできない選手だからなあ。というか、あの親父は頭を揺らされて帰ってきたボクサーにビンタを張るとはどういう了見なのだろう。