WBAスーパーフライ級タイトルマッチ ○チャンピオン 名城信男 3-0(118-110、117-112、117-112) 14位 エドゥアルド・ガルシア●


僕の採点は116-112名城。決定的な場面こそ作れなかったが、試合全般を通じてほぼ主導権を確保し、小〜中差勝利は問題ない内容。8ポイントはちょっとやりすぎの感があるが。


序盤から名城が徐々に優勢の度合いを強め、ガルシアがプレッシャーに耐えかねて我を失ったようにゴング後も攻撃を続けてしまう場面もあり、7R終わったときには10RまででのKO防衛もありかな、と思わせた。しかし、8R以降ガルシアが善戦し、判定まで縺れる苦戦となった。

ランダエタVs亀田戦を思い出させる、前進するファイターとそれをいなすボクサーとの闘いだったが、名城が優れているのは、左ボディー一辺倒ではなく、前後の出入りと力のあるコンビネーションが打てるので、殴られっぱなしでポイントを取られる事はないこと。ただ、今日の名城は右が非常によくなかったような。一瞬止まるかのような微妙なタイミングなのはともかく、オープンブロー気味の大振りが多かった。よって上半身へのコンビネーションがいまひとつ機能せず、こと有効打という点からすると、ボディーブローで勝ったような感すらある。


次はマーチン・カスティーリョとのリマッチか、今だ1位にとどまるアレクサンドル・ムニョス*1との防衛戦か。
ムニョスとの試合が観たい気がするが、彼は暴漢に銃で足を撃たれて以来、パフォーマンスが落ちているから・・・。


ガルシアはクリーンなファイトと態度が好印象だったが、パワー不足が響いた感がある。それでもよく名城のプレッシャーに耐え、ボクサータイプらしからぬ勇気ある攻撃を見せはしたが、肝心の怖さが無かった。象徴的なシーンが、12R中盤に足を使ったこと。最後に自分の得意なファイトスタイルを、という美学からなのか分からないが、この試合展開で挑戦者なのに、何としても勝ちたいのなら、12Rで足を使ってはいかんのではないか、と疑問を持った。

*1:WBAスーパーフライ級の元チャンプ。チャンピオン在位時に暴漢に銃で足を撃たれるまで、23戦全勝全KOのパーフェクトレコードを誇っていた(次戦は初の判定勝利)。しかし、タイトル奪取戦と防衛戦の敵手が全て日本人だったため、2chの一部では日本王者ということにされており、当時暫定王者だったカスティーリョとの王座統一戦で敗れた試合を『筑豊のKOキング無如酢、「世界の壁」に完敗』と評していた書き込みには、不謹慎ながら笑った