糞蝿野郎ここにあり


久々に付いたコメントを見て爆笑。糞蝿野郎て。こんなんでもうれし、くはないぞ。


それとは関係なく、トラックバックとまっとうなご批判もいただいている様子。
めったにないことなので、内容にも触れさせていただこうと思います(泣)。



ミーハー的ボクシングファンによる12月20日の雑感
http://d.hatena.ne.jp/gatiotaku/20061223/1166834542

>硬派なボクシングファンの目には、俺の姿は甘っちょろく、そして醜く映ることだろう。だが、俺は亀田を讃えたい。


俺は今回の亀田の試合は讃えるべきではないと思っています。前にも書いたように、つまらない試合でも勝たねばならなかったというのは彼個人の都合に過ぎない。負けになるべき試合で勝ち、今度は危険を徹底的に避けて勝った。共通するのは、試合内容自体に見るべきものがないという点で、俺が引っかかるのはそこだけです。

ちなみに俺はボクシング実戦未経験&生観戦童貞で、観る目がないなあと思われてないか気になる年頃です。それでも硬派なボクシングファンでありたいとは思っていますが。

>しかし、スポーツ観戦には物語が付き纏うものである。物語抜きでオリンピックを観ることは非常に苦痛である。
>多くの日本人が、ジャンプの原田に感動したのは何故だろうか。それは、挫折とバッシング地獄から這い上がってきたという物語抜きに説明することはできない。


スキーの原田については全く知らないので触れませんが、スポーツを見る際に、競技そのものだけではなく、物語が介在する場合があるというのは分かります。たとえば、TV番組で成長が追われていた亀田だけではなく、長谷川には(俺のような生観戦童貞の糞蝿野郎だけではなく)地方での無名1ボクサー時代から彼を追いかけてきたボクシングファンの方々が大勢いるようです。そうした方々は、今より弱い長谷川とその成長を知っているでしょう。また、ファン個人の物語の中に長谷川の戦史が刻み込まれているでしょう。


それでも俺はボクサーの物語はあくまで試合に、選手の競技者としての歴史に従属するものとして観ます。たとえば亀田が、今回の試合で、アウトボクシングでもコンビネーションを織り交ぜてダメージを奪いに行くボクシングを、耐久力に不安があるなら相手に打たせず打つボクシングをやってくれたら、なにより試合に山場を作ってくれたら(後半のアレは山場とは認めません)、たとえ「倒せず判定勝ち」という形でも、彼に前回の試合内容と屈辱を踏まえた、ボクサーとしての向上という物語を見出すことが出来たでしょう。


それが出来ない彼に対して、「4ヶ月であれだけのスタイル改造は上出来」といった形で歴史や物語を持ち込んだり、彼の人間性や「亀田一家」といったところに物語を見出すのは、俺には無理です。それは、ボクシングそのものを観ないことになるので。
先に挙げた長谷川の戦史を知る方々にしても、その記憶は長谷川のボクシングそのものをより深く楽しむために機能しているのであって、ボクシング自体の見るべきもののなさを隠蔽するためではないという印象を持っております。

>更に言うならば、純粋に競技としてだけで観るのなら、日本人ボクサーをチェックする必要はない。
>wowowの海外ボクシングだけで充分である。
>長谷川や、初期の辰吉は素晴らしいボクサーだが、彼らでさえ海外のスーパースターと較べると大幅に見劣りする。
>タイソン、アリ、ロイ、ウィテカー、メイウェザークラスの日本人ボクサーが現れる可能性は、残念ながら限りなくゼロに近い。


まあ、たしかにハメドメイウェザーの試合映像なんぞを観るとため息しか出ませんが、それでも俺は日本でのボクサーの試合を楽しむことは出来ますし、そこに物語を必要としません。といっても、現在はwowowに入っておらず、世界レベルの認識は昔の視聴記憶とYouTubeに頼っているせいもあるのかもしれません。それでも、長谷川 vs ウィラポン2、名城 vs カスティーリョ、イーグル vs マヨールは素晴らしかった。何故かと問われると首をひねりますが。決して出来のよくなかった先日のイーグル vs トレホ戦も、イーグルの劣勢を立て直す精神力の虜になりました。
そんな俺が亀田の試合を観る理由は、先日書いた不健康な理由もありますが、有言実行に一縷の望みを抱かせるワンミーチョーク戦での高速カウンター*1と、ランダエタ戦の11Rを持ちこたえたことです。妄言しているような不世出のチャンプになるとは思いませんが、一発はなくても、ボクシングファンをうならせるような攻防一体の選手になるのでは、という望みはまだ捨て切れません。それだけに、今回の試合は褒めたくない。いずれにせよ、俺はパフォーマンスしか観ません。

>物語によって亀田を賛美することが甘っちょろいとの考えの廃星ブログさんが、物語によって亀田批判をする自らの矛盾に気がついているのだろうか。


ここは単純に、よく分かりませんでした。日本のボクシングを見る際には物語が必須、ということなら、俺は上に書いたようにその前提に与しません。

>しかし、今回の試合で真っ当なボクサーへの第一歩を踏み出したことを、少しぐらい評価してやってもいいのではないだろうか。


高望みしすぎているのかも知れん、とは思いますが。僕はあの試合が真っ当さへの一歩とは思えない・・・。半歩?
半ば予想外の事故だった前回の試合とは違い、リスクを認識した上でその中に飛び込んでボクシングをするチャンスを一つフイにしたわけで。
その上、あの試合内容のために、興行面でも、ボクサーとしてのポテンシャル期待でも、彼は苦境に立たされたと思います。
おそらく、口で言っているほど、自信を得ることもできなかったのではないかと思いますし。

次回には、より高いパフォーマンスが求められますが、防衛戦かフライ級復帰であれば、楽な相手になるのでしょう。統一戦は例外ですが、相手がドーピング騒動の渦中ではどうにもならないでしょうし。

*1:それにしても、ポンサク先生の名言「ワンミーチョークは豚のように弱い・・・」を知ると割引せざるを得ない