人文的世界の終わり?

以前よく行っていた古本屋が潰れていた。それも1年以上前に。人文書の品揃えが豊富だった。というより、まともに人文書を扱っている唯一の古本屋だった。残るは古マンガ店だけだ。人文書が社会に必要とされなくなっている、ということだろう。唯一の例外が経済学だろうか。一般向けの学問としてはこれから、という意味では、例外というより真逆だ。上げ底が外れた妄想塗れの人文書より、内面に立ち入らず論理的な積み上げが出来る経済学の方が、社会のためには安全かつ有効だろうとも思う。

こういうお寒い状況は、人文書の役に立ち美しくよいところを再考するいい機会でもあるだろう。ただ、その先に向かうべきは、現代でも有効な権力への意思、背世界の願望の再構築になるのだろうが。そういうものと無縁な人文書など読むに足るものか。