若杉公徳『デトロイト・メタル・シティ 2巻』(ヤングアニマル)


1巻の勢いは無いかもな、と懸念していたが、クラウザーさんが演技だけではなく素でモード移行するようになっていて、さらに暴走していた。


冒頭の話から持っていかれた。D・M・Cのステージ上で常にHAKUGAIされる中年ハゲM男『資本主義の豚』こと梨本圭介。豚の傍らコンビニでバイトし、同僚の女性に想いを寄せる彼を応援するために、クラウザーさんは想い人をライブに招待するよう勧め、彼にリードボーカルを任せる。しかし、ライブの進行と共にヒートアップするクラウザーさんは、豚が寒いオリジナル四畳半フォークをカマしたとたんに本格モード移行して「そんな歌でメスを犯れるか!」とブチ切れ、豚の尻を「スパンキン風林火豚」なる技でスパンスパンとHAKUGAIしまくり。

「オゥオゥオゥオゥオゥ」と悶える『資本主義の豚』の姿を見る観客の「スゲェ、今日は100オゥ越える勢いだーーー」に笑い死にそうになった。結局想い人はコンビニを辞めてしまう。


この2巻では女子パンクスとNY帰りのB-Boy系ラッパー(大分県犬飼育ちのクラウザーさんと同郷の幼馴染)を潰し、東京タワーと空気をレイプして、2巻まででシーンを幅広く制覇してしまった。ラップをダジャレとしか見ないのが素敵だ。これからどこへ行くのか。


余談だが、このまんがが連載されている『ヤングアニマル』、久しぶりに読んだら捨てまんがが無くて驚いた。これからも買おうか。


デトロイト・メタル・シティ (2) (JETS COMICS (271))

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