ダルチニアンを下した試合でも、センスの塊のような選手だなとは思いましたが、これは思った以上に相当すごい選手ですね。どうでもいいですが彼には熱狂的な女性ファンが付いているようで、多くの試合で女性の奇声が聞こえます
まず2Rまで見ましたが、相手のルイス・マルドナドも、ミハレスと0-1引き分け、負けはダルチニアンに喫した1敗のみと、相当な強豪のはず。それでも、2Rまでで勝負あったなという感じ。試合としてはこのあと波はあったのかもしれませんが、ボクサーとしての能力の差が如実に分かるというか。ノニトは左のガードがどう見ても低いんですけど、マルドナドの方が左フックを警戒して右を積極的に使えない状態なんですね。それでマルドナドは神経を使って両方のグローブをあごのガードに使っているのですが、ノニトはそれを苦もなく左フックと打ち下ろしの右で切り崩してしまう。すぐにバックステップして反撃をかわす。実に軽快です。
追記:予期したとおり、ノニトが相手に付き合ってスイッチする余裕を見せながらほぼフルマークの流れの末、7Rにアッパーでふらつかせて狙い済ましたビッグレフトフックでダウンを奪い、8RにパンチをまとめてTKO勝ち。
しかしマルドナドもダメージとカットによる出血の中、よく奮闘していました。7R終了時にはレフェリーがセコンドに向けて棄権を勧めるように首を振って、8R開始時にはドクターの診断を仰ぐという状況でした。止めてもいい状況でしたが、タイトルマッチ。それだけにラウンド開始時に両者が進んでグローブタッチをしたシーンはグッと来ました。いい試合でした。しかしノニトは強い。
フィリピン勢というとALAジムのボクサーはサウスポーが多いですが、このノニトはその流れとは別の、早くからアメリカでキャリアを積んできたボクサーとのことで、スタイルはオーソドックス。ダルチニアン、マルドナドと強豪サウスポーを一方的に連覇*1したのを見ると、これまたサウスポーのミハレスはもとより、他のフィリピン勢との試合も見たくなります。
上のスーパーフライ級にはZ・ゴーレス*2とA・J・バナルがいます。共にサウスポー。特にWOWOW放映時に浜田氏にも注目されたバナルは、キャリアの早いうちから苦しい試合を勝ち続け*3、今はWBO傘下のユースタイトルをKO防衛して無敗街道を邁進中の新鋭です。
このボクサーも相当なものですが、それでも現時点ではノニトがかなり上に思えます。世界チャンプだから当然でしょうが。ノニトのボクシングが素人目にも綺麗に見えるというのもあるのかもしれません。