長谷川 VS ダルチニアン?

 1回TKO勝利で8度目の防衛に成功したWBC世界バンタム級王者長谷川穂積(28=真正)に、新たなビッグマッチの可能性が浮上していることが13日、分かった。関係者によると、1階級下のスーパーフライ級の世界3団体統一王者ビック・ダルチニャン(33=アルメニア)が、長谷川への挑戦に興味を示しているという。世界戦10勝中9KOの「KOキング」との防衛戦が実現すれば、大きな話題となりそうだ。

 ダルチニャンはフライ級でも世界を制した2階級制覇王者。現在WBC、WBAスーパー、IBF(国際ボクシング連盟=日本未公認)のメジャー3団体の王座を持つ。近年は米国を主戦場にし、本場でも人気急上昇中。そんなスター候補生に一目置かれる長谷川は、世界から強さが認知されている証明ともいえる。


このカードは今一番観たい試合と思っていましたが、ダルチニアン選手がIBFメインで、かつ本場の超強豪があえて極東の超強豪チャンプに挑戦する動機が薄いと思ったので諦めていました。可能性がなくもないということか。


Vic Darchinyan KO ' s


ここに収められた映像のほとんどは、長谷川選手より二階級下のフライ級(内藤選手と同じ)ですが、音がえぐいっすよ。ちなみに最後にノックアウトされているのは、日本で徳山昌守選手に指名挑戦して好試合を演じ、当時IBFスーパーフライ級王者だったディミトリ・キリロフ選手です。
ラスト数試合はスーパーフライ級のもので、攻撃力がスーパーフライでも破格のものだったことはタイトルマッチ3試合オールKO、TKOで証明しています。フライ級でもIBFタイトルマッチを8戦7勝6KO、逆にKOを喰らった敗戦試合はともかく、相手の顎の負傷で判定勝ち扱いらしい残り1試合も、この映像を見るに有効なパンチでのTKO扱いが妥当に見えます。実質世界戦ALLKO(11戦10勝1敗)なんですね、この選手は。近年の軽量級ではちょっと他にいない。
そして、ミハレスファンの私としては複雑なこの動画。
[追記]つーか冒頭のKOパンチ何だこれ。なんで50kgそこらの選手がこんな背中で相手殴り飛ばすようなパンチ打てるんだ?

Darchinyan Knocks Out Mijares


クリスチャン・ミハレス選手。日本で川嶋勝重選手からWBCスーパーフライ級タイトルをスプリットながら奪い、再戦ではノックアウト。そこまではまだ世界的には無名に近かったが、その次の試合で同国人の超人気選手ホルヘ・アルセ選手を圧倒、完勝して、本場の評価が急上昇。その後も菊井徹平選手(元日本王者)、ホセ・ナバーロ選手(元オリンピアンで、川嶋選手、徳山選手の王座に挑戦し共に惜敗)、アレクサンドル・ムニョス選手(世界タイトルマッチで対日本人7戦7勝、当時WBAチャンプ)、チャチャイ・サーサクン選手(10年前にかのユーリ・アルバチャコフ選手から王座奪取、ちなみに「あの」パッキャオに負けて陥落)と日本に縁が深い選手を連破して、防衛回数実に8回、WBA王座も吸収し、日本経由?でスーパーフライ最強に近づいていた。ダルチニアン選手はこのミハレス選手を圧倒して、三団体統一に成功。これ以降、急上昇していたミハレス選手の株は笑えるくらい急降下。復活してくれ。


ダルチニアン選手は失冠期とはいえ強豪相手に敵地での挑戦者決定戦にも尻込みしなかったし、ミハレス戦前『俺はミハレスに勝てる』というメールをプロモーターに数十通連打して成立させたという逸話があるほど、強い相手とのファイトに対して積極的な選手。『長谷川にも勝てる』なんてメールしてたり。あの変則強打といきなりのショートアッパーをはじめとした鋭角的な動きの速さは確かに特筆ものですが、長谷川選手ならダルチニアン選手を納得させて引退させてあげられるとも思っております。


長谷川選手は転級願望を明言していますが、これは正真正銘のビッグマッチかつ軽量級パウンドフォーパウンド決定戦でしょう、決まれば留まるのでは。
やるとしたら場所はアメリカなんでしょうけど、日本でも中継されますよね。この試合がもし決まったら、いつもは知り合いにボクシングについて語ることが少ない私でも、頼むからテレビ観てよ、最高のもん観られるから、って宣伝しまくるでしょう。