川嶋 Vs ミハレス戦に向けて


本日20:54より、テレビ東京系で放映。
ランダエタ Vs 亀田世界戦の騒動を受けて、解説のガッツ石松氏が試合中における自己採点の公表を要望、テレビ東京がこれを快諾したとのこと。


僕自身も、今回の観戦では、公式採点基準を強く意識しようと思っている、なぜから、これを見れば分かる人には分かってしまうのだろうが、僕自身公式採点基準をまともに知りもしないままに採点論議をぶっている。恥ずかしかったので、公式判定基準と俺ルールのすり合わせをしてみた。


公式採点は以下の優先順位を付けられた4要素で図られる


クリーンヒット>アグレッシブ>ディフェンス>リング・ジェネラルシップ(主導権)


この基準に対して、僕は自分の言葉で言うと


有効打(明白にダメージを与えているクリーンヒット)
>手数(明白なダメージブローではないがガードの上からではなく、当たっているもの)
>ガードの上からの打撃も含めた圧力
>主導権>ディフェンス


という基準で採点をしていた。公式採点の言葉に合わせれば、


クリーンヒット(強)>クリーンヒット(普)>アグレッシブ>リング・ジェネラルシップ>ディフェンス


となり、そんなに公式基準とかけ離れたものではないと思う。ディフェンスの軽視など、かえって昨今の採点結果の風潮と一致してしまっている。


そして、公式基準の内容を把握してからも、あの試合でのランダエタの勝利支持は変わらない。なぜなら、強弱はあれ、一番優先されるべき「クリーンヒット」において、圧倒的にランダエタに分があったのだから。1R、11Rはもとより、試合全般で見せ続けた、一見軽そうに見えるジャブ。あれがガードの上からではなく、亀田のガードを割り、顔面を襲っていた。あれは有効打、クリーンヒットとしてとるべきだと思う。むしろ僕は、亀田が中盤や最終ラウンドに見せたあのラッシュもどき、「手打ち」、「ガードの上」、「ダメージなし」の3拍子揃っていたラッシュもどきを、有効打としてカウントすることは出来ない。彼が試合全般を通して見せた有効打はボディ打ちくらいだが、どのラウンドでもたいしてダメージを与えておらず、主導権を引き寄せる転換にもなっておらず、その上単発なので、相対的にほとんどのラウンドでランダエタにポイントを振ることになるのだ。


それだけに、立ち読みしたボクシング・マガジン今月号の記事には失望を禁じえない。ランダエタ有利の見方を、公式採点基準から見ると素人採点と決め付け、「正しく見れば亀田の勝ちなのだ」と主張するその論調。公式採点基準に照らしたところで、ランダエタの勝利は動かないはずだ。あえてランダエタに苦言を呈することが出来るとしたら、「KOを取りに来るべきだったのでは」ということくらいだが、そんなことはボクサー本人の処世術の範囲の話であり、本質的なことではない。何よりも、「地元」の国民が軽々しく口にしていいことではない。それは「地元判定」を肯定することになるのだから。
東日本の識者の多くが陣取ったであろうリングサイドとテレビ観戦の差(リングサイドから観ると角度的に亀田のボディブローが映え、逆にランダエタのパンチが観にくかった)というのも指摘されているが、それでは、リングサイドからはジャブを評価できないということになるじゃないか。あれだけランダエタのジャブがびしびし入っていた試合ですらか。そんな話があるものか。観戦側の採点基準に、ランダエタの有効なジャブを切り捨てる誤った予断があったと見たほうが妥当だと思う。


今回の川嶋 Vs ミハレスは、奇しくもというかまたというか、ファイター Vs ボクサーの試合だ。亀田と川嶋を同列に扱うのは川嶋に失礼だが、僕はそう見る。周囲もそう見るだろう。また、川嶋自身も、チャンピオン時のホセ・ナバーロとの防衛戦を微妙な判定で制した過去がある。僕は当時は川嶋勝利を支持したが、今見てもそう思うか自信がない。


いい試合になればいい。