WBC世界スーパーフライ級 暫定王座決定戦 ●2位 川嶋勝重 12R判定 1-2 4位 クリスチャン・ミハレス○


試合終了。2-1のスプリットディシジョンを制したミハレスが新チャンピオンに。ジャッジ全員が114-113という審判泣かせの試合。といっても僕の採点は112-115でミハレス中差勝利だったので、一人目の採点発表でスプリットだと分かった時点でちょっと驚いた。8月の試合のように「ありえない」とまでは思わなかったけど。審判団が全員米国人だったこともあり、ミハレスの手数が高く評価されるのではないかと思ったのだ。川嶋は打たれすぎたし、手数が少なかった。1Rでミハレスが川嶋が苦手とする、手数の多いテクニシャンであることは分かったので、2Rでダウンを奪った後、詰め切れなかったときに嫌な予感はしたのだが・・・。


あと、彼の試合を見ていつも思うこと。上半身を細かく動かすのはいいのだが、それが攻撃と結びつかない。また、その割にパンチをもらいやすい。それは、あの動きが攻撃に結びつくことが少ないことを相手に見抜かれ、ウィービングが始まったらパンチを恐れなくていいから当てやすい、と狙われていたのではないだろうか。あと、内側からの細かいパンチが少なかったのも同じだった。新しいことをやるより、出来ることを磨いた、ということなのかもしれないが。


ミハレスは手打ち気味のパンチがほとんどだったが、それでもとにかくよくヒットしていた。あれだけ当てられてはどうしようもない。
見ている側としてはどこか消化不良感も残るが、互いに力を出し合ったのはたしかな試合だった。川嶋選手にはお疲れ様と言いたい。


以下は採点表。略字の意味は以下。

  • 俺TM:自分のテンポイントマスト式*1採点
  • 俺非TM:自分の10-10許容式採点
  • ク:クレメンツ審判(米)
  • ジ:ジェンキン審判(米)
  • ハ:ハリス審判(米)
  • 石:ガッツ石松解説
R 俺TM 俺TM 一言優劣 俺非TM 俺非TM - - - - -
- 川嶋 ミハレス - 川嶋 ミハレス - 川嶋 ミハレス - 川嶋 ミハレス - 川嶋 ミハレス - 川嶋 ミハレス -
- - - - 有効打、手数共にミハレス
- - - - 引き続きミハレス有利も、川嶋が起死回生のダウンゲット。詰められたかも
- - - - 有効打、手数共にミハレス
- - - - 有効打、手数共にミハレス
激微 - - - - 川嶋のパンチが当たりだす。難しい。数の差でミハレスか。
- - - - 終盤見せ場を作った川嶋に
- - - - 川嶋が有効打で上回る。ミハレスの手が止まった感じ。
- - - - ひたすら手数でミハレス。川嶋は状態の動きが攻撃とリンクしていかないのが歯がゆい
- - - - 同上
10 - - - - 両者共に見せ場を作ったが・・・。やはりミハレスがトータルの有効打で勝る
11 - - - - ミハレスの手数を評価
12 - - - - 川嶋が有効打、圧力共に勝る
112 115 - 113 115 - 113 114 - 114 113 - 113 114 - 113 114


セミでは、東洋ミニマム級王者の八重樫東が、東洋6位を1R残り1分から3度倒しての圧勝。ハンドスピードとコンビネーションには非凡なものがありそう。ただ、相手に恵まれた感はあるし、ジャブが出ないし、けっこう打たれてもいた。イーグルにはまだ勝てない気がするし、それよりは目のありそうな新井田にしても、陥落を強く予感させるほどのものは感じられない。それでも、東洋タイトル防衛戦を圧勝で飾ったことはたしかだし、大橋会長も辰吉の記録を破らせるつもり満々のようなので、次は世界なのかな。だとしたら、高山の予約が入っている新井田より、相手日照りの感があるイーグルのトレホ戦の次だろうか。

*1:ラウンドごとに必ず採点に優劣をつける採点方式