WBA世界ミニマム級王座統一戦 ○正規C 新井田豊 12R判定 2-1 高山勝成 暫定C●


新井田が1Rのダウンから盛り返し、スプリットデシジョンを制して判定勝ち。俺の採点でも114-113で新井田。ちなみにダウンはスリップ気味ではあったが一応パンチが当たっており、不当なジャッジではないと思う。


いい試合だった。特に中盤以降は超シーソーゲームで、1Rごとに互いにポイントを奪い合う展開。それだけに、試合後の高山応援団のブーイングは最悪。


そして、新井田の「強さ」を再確認できたという意味でもうれしい試合だった。識者の予想を見ても、ほとんどが上り調子の高山の優位を予想していた試合。実際、日本ジム所属のミニマム級ボクサーで高山より評価が高いのは、まずWBCチャンプのイーグル、続いて(WBA正規チャンプの新井田を差し置いた形で)マヨールの二人だけだったはず。その評価を覆し、地金の強さを証明した。強いパンチを正確に打てるのがよい。特に鋭いアッパーがすばらしかった。


高山陣営は判定に納得いっていないようだが「4ポイントは勝っていた」発言はひいきに過ぎる。4ポイントが本気だとすると*1、おそらく彼らの中では、1Rにダウンを取ったのに加え、少なくとも5Rまでで大差をつけたという認識でいたのではないだろうか。その高山に敗因があるとしたら、やはりパワー不足か。同じ有効打でも、新井田のほうが見栄えがいいのだ。俺の採点では3〜5Rを全て新井田に振っていた。
あとシーソーゲームと書いたように、7、9、11ラウンドで高山がスピードと手数で圧倒しても、次のラウンドで新井田の強く正確なパンチに取り返されてしまう。その意味では、高山のスピードと手数でも押し切れなかったところに新井田の真価・強さがあるというべきなのかもしれない。新井田のスタミナが最後まで落ちなかったことも誤算だっただろう。


高山には申し訳ないが、これでミニマム級がさらに面白くなった感がある。イーグル対新井田、文字通りの結果の見えないミニマム級頂上決戦が見えてきたのだから。イーグルが6月の防衛戦で八重樫を退ければ激戦・故障明けの不安も一掃され、最高の試合が実現しそう。残る不安はWBCの指名試合期限だが。これまたスプリットで無敗選手同士の挑戦者決定戦を制したらしいオーレイドンもよさげなのだが・・・。

*1:試合中のセコンド発言中継では中盤時点で互角と見ていたようだが・・・。