デラ VS メイは、スプリットを制してメイウェザーが5階級制覇達成。敗れたとはいえ序盤のデラホーヤはすばらしかった。固いディフェンスとコーナーに詰めての連打で、メイウェザーになかなかカウンターを打たせなかった。それでも、中盤からメイウェザーがピンポイントで有効打を返し、試合の主導権を奪回しはじめる。とにかく早い。終盤はデラホーヤの失速もあって明白にメイウェザー優勢。それでもデラホーヤが踏みとどまって一方的な展開にさせず、微妙な予感のする判定へ。ジャッジ3者すべて接近した採点(115−113、112−116、113−115)ながら、2-1のスプリットでメイウェザーの勝利。
試合前に両者が引退を示唆する発言をしていたこともあってその点にも注目していたが、メイウェザーが「私が一番強いことは証明された。これ以上もう証明するものがない。子供たちもいるし」とより強い調子で引退を示唆。一方のデラホーヤは『今後の体調と相談。いい試合ができたのでまた考える。ボクシングが大好きだし、試合のビデオを見直す』という、より慎重な言い回しをしていた。
あと、主役の彼らと同じくらい印象に残ったのが、前座のWBOスーパーバンタム級挑戦者決定戦で勝った無敗のフィリピン人ホープ、レイ・バウティスタ。アルゼンチンのこれまた無敗ホープであるセルヒオ・メディナとの一戦。放映前だった序盤から優勢に進めていたようで、放映開始直後の6Rにはラッキーなダウンも奪って、再三ロープに詰めて優勢。それが7R中盤にヘッドバットとパンチのコンビネーションから攻め立てられ、スタンディング・ダウンを奪い返される。かなり深刻なダメージを受けていましたが、相手の詰めそこないもあってそこから立て直し、11Rにストレートとフックの中間のようなパンチで逆にダウンを奪っての明白な判定勝ち。天才の呼び声高いのは聞いていましたが、20歳とまだ若くバンタム上がりのためなのか、体格的にはひ弱そう。でも、そこを補う鋭い動きと強さがありました。フィリピンのボクサーは、東洋人にはめずらしく、本場にも負けないようなきびきびした動きと強いパンチを打つボクサーが多いですね。試合後はモズリーが祝福に。いい人そう。
日本で試合枯れ状態なのが悲しいロデル・マヨール、先日世界挑戦に失敗したZ・ゴーレスなど、いい選手に事欠かないフィリピン。どうやらこの日の前座には、先日Boxrecの戦績で目を引かれたAJ Banalも出場し、判定勝ちを収めた様子。この選手もフィリピンの無敗ホープなのですが、戦績がすごいです。詳しくは以下のBoxrecを見ていただければわかりますが。
AJ Banal戦績
http://www.boxrec.com/boxer_display.php?boxer_id=318900
まだ18歳。2005年6月のデビューから2年足らずで13勝10KO無敗1分というのもすごいですが(1ヶ月たたずに試合してたり)、去年半ばからの相手がすごい。
日付 | 相手 | 直前までの相手戦績 | 相手国籍 | 結果 |
---|---|---|---|---|
2006.07.22 | Ali Rochmad | 12勝9KO無敗 | インドネシア | 5RKO |
2006.09.23 | Sing Carryboy | 11勝9KO無敗 | タイ | 7R相手棄権 |
2006.10.21 | Angky Angkota | 17勝12KO3敗 | インドネシア | 10R判定勝(99-90、100-89、98-91) |
2007.01.20 | Terdkiat Jandaeng | 7勝2KO2敗1分 | タイ | 9RTKO |
2007.02.24 | Komrit Lukkuongmuekol | 15勝11KO2敗 | タイ | 1RKO |
2007.05.05 | Juan Alberto Rosas | 25勝22KO2敗 | メキシコ | 8R判定勝(78-73、78-73、76-75) |
これはさすがに亀田家に見習えと言うのがはばかられる。ラスベガスでの最新試合を除いてすべて母国フィリピンでの試合というところが唯一の割引材料だが、この間隔でこれらの相手に連勝というのはすごいことでは。とくに周辺国の無敗ホープを連破している辺りが目を引く。
対Komrit Lukkuongmueko(圧巻の1RKO)
対Ali Rochmad(サウスポーの無敗ホープ同士)
対Angky Angkota Part1
対Angky Angkota Part2