辻選手、そして帝拳ジム


辻選手、手術の甲斐無く、亡くなったとのことで、本当に残念です。
素晴らしいハートの強さをみせてもらった試合の直後だけに。


映像を見返すと、やはり9R後のインターバルでの辻選手の様子は明らかに、スタミナ切れ以上のものを感じさせます。
そして改めて疑問なのが、ストップを見計らう気配が薄い10Rのレフェリング。ラッシュ以前の単発の被弾でふらついている状態だというのに。競技の中立性と選手の生命を守るレフェリーの存在意義が大いに揺らいでいる。G+で幾人かのレフェリングを見たところでは、ビニー・マーチン氏のレフェリングを基準にしてほしいです。マーチン・ストップなんて言葉は無くなってほしい。

帝拳ジムの対応も少し解せないですね。ホームページには辻選手に関するアナウンスがなく、ただ更新停止のアナウンスが。混乱を避けるためだろうことは分かりますが、心配して訪れるであろうファンに対する告知はすべきではないでしょうか。

この件に関するボクシングストレートレポートの記事には考えさせられます。ただし、同意は出来ないですが。ボクシングは競技であり、競技の枠を超えた無用のダメージは出来うる限り抑止すべし。殴り合いと競技性の矛盾においては、競技性の側に立って洗練に向かえばよい。短期における殴り合いと競技性の矛盾に撞着し、長期におけるダメージ蓄積の事実を前に失語する必要は無いと考えます。それらの問題は、ディフェンス技術の向上、適切なレフェリングと早めのストップが、ダメージと後遺症の危険をより低くすることを否定しない。ボクサーの大多数にもそれが望ましいのでは?
まあもちろん、こんなことは全部承知の上で(実際書いてある)、それでもああ書かずにはいられないのでしょうけど・・・。

[追記]
http://sasakimotoki.com/diary/sb_diary.cgi

亡くなられた辻選手と同じ帝拳ジム所属の佐々木基樹選手の提案。この状況での勇気ある記事にも敬服しますが、内容も示唆に富んでいると思う。
身内をかばわずにレフェリーとセコンドの対応を批判するとともに、あくまでも論の目的として『再発防止』を掲げ、彼らへの批判・糾弾に終始する「だけ」では改善効果がないであろうことも強調されている。そして、まず原則論として、メキシコの成果に倣って早めのストップを掲げ、そのためのインセンティブとして、リング禍が発生した際のレフェリーとセコンドへの罰金制度を設けてはどうか、というもの。インセンティブの内容にはさらに考慮が必要だろうが、大筋には同意したい。