WBC世界ミニマム級タイトルマッチ ○チャンピオン イーグル京和 Vs 挑戦者 ロデル・マヨール●(判定3-0)

すばらしい試合だった。世界チャンプ対元東洋チャンプ(返上)という肩書きだけなく、実力が最高レベルで拮抗したもの同士の試合。そして、外国人のためチャンスが限られるという境遇もあるが、共に貧しい少年時代を歩まざるを得なかった両者の、人生をかけた試合。イーグルは得たものを失わないため、より大きいものを得るための。マヨールはまさにこれから手にするための。前日のバラエティとは比較するのすら失礼。これぞボクシング。特に序盤はすごかった。少々荒かったものの、ミニマム級への先入観を払拭するど迫力の打ちあい。


そして、序盤に打ち負けて、5Rの時点でほぼ両目塞がりかけたところから、無敗の最強挑戦者相手に逆転してのけたイーグル。あれだけ視界が制限されたところから、打ち終わり狙いのカウンターとボディで流れを引き寄せ、最終Rにはダウンまで奪っての3-0とは、もう言葉もない。


気がかりなのは、試合後に両者が入院したということ。特にイーグルは眼窩底骨折の疑いがあるとのこと。マヨールのパンチの強さがこんな形で出るとは。どうか後遺症の残らない形で回復してほしい。